風邪気味でうつうつとしている間に、野田首相がTPP交渉参加表明を決めてしまいました。 今後がすんなりいくとは思えないので、推移を静観したいと思いますが、どう考えても、泣く人がでそうな気がして、心が落ち着きません。

以前、「チャンスはピンチだ！」の記事でも触れましたが、個人的にはTPPの発想は嫌いではありません。でも、すべての産業で海外勢と殴り合いとした末にあるのが、「支配か」「隷属か」の二択しかなければ、これはなかなか軽々には判断できない選択といえます。

「関税障壁撤廃！」「さぁ貿易しようぜ」―。その底流にある「自由」というのはとても素晴らしいです。ですが、塗り絵でしか遊んだことがない子どもに真っ白な画用紙を渡して「自由に書いてみよ。早く書かないと、ほかの子に書かれちゃうよ」というのは乱暴です。



(c) houjicha｜イラスト素材 PIXTA

子どもに対しては、大人の責任なのかもしれませんが、「『自由』は好き勝手やっていいけど、責任も取れよ」という意味もあるんだぞ」と理解してもらう必要があります。

TPPの場合、この責任まで理解して、「さぁ！俺を世界に解き放ってくれ！！」とエネルギッシュに言える産業が、今の疲弊した日本にどれほどあるのでしょうか。

つまり、酸素の足りなくなった金魚鉢の中で、あぷあぷしている出目金が、酸素を求めて、湖に行って生き残れるのかとｗ　私は出目金の運とタフさに賭けたい部分があるのですが、結局はブラックバスによる瞬殺！がオチなのかもしれません。

[1回]